トップ  > Kazu's BLOG  > 【英語】伸びない人ほど「通し練習」が多い―「苦手な1文」に向き合う人が伸びる理由

【英語】伸びない人ほど「通し練習」が多い―「苦手な1文」に向き合う人が伸びる理由

こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。

先日、X(旧Twitter)で以下のような投稿を目にしました。

 

これを読んで、「外国語(英語)もまったく同じだ」と強く感じました。

この記事では

・英語学習における「通し練習」とはなにか
・なぜそれでは伸びないのか
・それでは、どうすればいいのか

について、以下英作文と読解を中心にまとめてみようと思います。

 

英作文の「通し練習」が落とし穴になるとき

英検や受験対策の英作文で、「とりあえずたくさん書いてみて、修正や添削をあまり気にしない」生徒は少なくありません。もちろんそれ自体は悪いことではありませんが、毎回似たようなミスを直さず放置している場合、練習の効果は限定的になります。

例えば、

I like Tokyo. Because it's an interesting city.

のような「Because単独で文を作る」というミスは非常にありがちです。これは文法的には明確に間違いなので、添削では必ず指摘するようにしています。

指摘してすぐ直る人もいますが、何度指摘してもなかなか直らない人がいます。後者の「何度ミスを指摘しても直らない人」は「通し練習ばかりして苦手な部分に向き合わない」状態になっている可能性があります。

実際、英語力がどんどん伸びていく人ほど、こういう「細かい指摘」に対してすぐに反応して次回には修正してきてくれます。

 

読解も「読み流し」では伸びない

この問題は英作文だけではありません。読解でも同じ構造があります。

英文を大体の意味で読んで、設問に答えて、終わったらまたすぐ次へ。問題を間違えても深堀りせず、何となくの理解ですぐ次に進む。

このような読み方では、構文の理解や語彙の深掘りが進まず、点数が頭打ちになります。

たとえば次のような文:

The number of people who support the plan has been decreasing.

この文を「なんとなく“減ってる”ってことね」と読み飛ばしてしまうと、
構造的に大事な部分が理解されません。

ちゃんと英文の理解をする人は

・decrease の主語は people じゃなくて the number of people にするんだな
・has been decreasing だから、今のことじゃなくて以前からこれまでのことを言ってるんだな(現在完了進行形の継続の意味だな)
・the number が主語だから、have じゃなくて has なんだな

という厳密な理解をしながら進めていきますので、益々正確な英文理解が固まっていきます。

 

上達の鍵は「苦手と正面から向き合うこと」

もちろん「通し練習」も大事です。語学の基本は「大量のインプット」であり、それを達成するために通し練習は欠かせません。しかし、とにかく大量の読んだり書いたりすれば良いのか、というと、必ずしもそうではありません。

英語が本当に上手くなる人は、「うまく理解できない1文」や「自分がミスをしやすい文」にこそ時間をかけてじっくり読解や修正を試みます

ピアノで「弾けない1小節」だけを何度も繰り返すように、英語でも次のような練習をおすすめします。

【英作文】
添削された文の修正は「なぜ直されているか」確実に理解できるまでしっかり読み込む。その中で、「自分が何となく書いていた表現」を抜き出し、「なぜダメか/どう言い換えるか」まで理解する。似た構文を使って例文を自作する。
【読解】
なぜここにtheがあるのか、なぜここは of ではなくて in が使われているのか、なぜここは現在進行形ではなくて現在完了進行形なのか、ここにコンマがあるのはなぜなのか、など、1つ1つの形が100%厳密に理解できて、人に説明できるぐらいまで突き詰めて読解する。それでも理解できない点は先生に質問する。

こうした局所的な練習が、最終的には通し練習の質を高めていきます。

 

まとめ:通し練習+部分練習の組み合わせで劇的に変わる

英語の学習で「通し練習」ばかりに偏ると、苦手が苦手のまま固定化されてしまいます。

大切なのは、

・1文でも立ち止まる勇気
・その原因を深掘りして、丁寧に直していく姿勢

です。

ピアノも、英語も、たった1文、1小節の改善が演奏全体・表現全体を変える力を持っています。

ぜひ今日から、「通し+集中練習」のスタイルを取り入れてみてください。

 

 

at 2025/09/11 23:13:24