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【英語】大学入試の採点者が受験生に対してアドバイス

こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。

先日、某国立大学で教員をしている友人と話をしてきました。この友人とは昔からの研究仲間なので、主に言語学研究関係の話をしたのですが、ちょうど時期的に大学入試の時期だったこともあり、話の流れで大学入試の採点業務の話にもなりました。今日はそこで話した内容について、「採点者(と私)からの受験生へのアドバイス」という形でお伝えしようと思います。

1.国語力と一般常識の重要性

その友人は受験生の英語の採点をしたのですが、自分が採点した受験生の回答に対して印象的なコメントをしていました。それは「英語力、単語帳や文法も大事だけど」と前置きしたうえで

受験生は国語力と一般常識を身に着けるように頑張ってほしい。単語帳をやる暇があったら英語でも日本語でも文章をもっとたくさん読むべき

というコメントでした。

一般常識で考えたら簡単に意味を推測できるはずの単語を間違えて和訳している受験生があまりに多い

ことに呆れてしまったそうです。

実際の例を出すのは避けますが、例えば

Wall Street を「壁の通り」と訳す(正しくは「ウォール・ストリート」)

みたいな感じのミスです。

友人の大学は日本国内でも相当レベルの高い受験生が受験する大学なので、「そんなことも知らない学生がこのレベルの大学を受験しているのか…」と、正直私も驚きを隠せませんでした

いえ、もしかしたら「英語の試験だから英語を訳すことに集中すべき」という考えが強く、自分の知識や日本語としての自然さに気を配ることができていなかったのかもしれません。単語と文法、形式的な和訳を重視して、文の内容の深い理解や知識を得るための英語の読書という観点が欠落している教育・学習の弊害と言えるかもしれません。

 

2.大学受験にも語学力が重要

私は指導や面談の際によく

・英語の試験では国語力(日本語を上手に使いこなす能力)も見られているんだから、日本語をしっかりしなさい
・単語と文法の勉強だけじゃだめだから、日本語でも英語でも文章、本をちゃんと読みなさい(そして知識をつけなさい)
・「傾向と対策」は最後だけでいいからまず語学力を磨きなさい

と伝えるようにしていますが、実際に採点をしている先生から上のようなアドバイスをもらえたのは私としても「自分の指導は間違ってなかった」という確信を得ることができてよかったです。

実際その友人は私の指導哲学をよく知っているので、「〇〇(私)の指導している内容は大事だと思う」とコメントしてくれました。

 

3.ハイレベルな大学を目指すならやるべきこと

ということで、レベルの高い大学を目指す皆さんは、文法や単語帳をやってもいいですが

・日本語や英語で本をたくさん読んで知識を身に着ける
・いわゆる「受験英語」ではなく、語学としての英語の力を上げる

ということをまずはしっかりやっていきましょう。

正直、これだけでほかの

「『受験英語』の勉強だから、という理由で文法や単語ばかり勉強している学生」

と大幅な差別化ができるでしょう。

私も言語学の研究者で大学で教えたこともあり、大学で教員をしている知り合いも山ほどいますので、大学教員の感覚は非常によくわかります。つまり、いわゆる典型的な「受験英語」っぽいことばかりやってきた学生の英語力を見たら「これはちょっとあまりいい点数をあげることはできないな」となってしまう感覚もなんとなくわかります。

「新しい時代の英語力」とか一切関係なく、そもそも大学受験で必要とされる英語力は文法と単語帳だけでは養えない、ということをしっかり認識して、「語学としての英語」をきちんと身に着けたうえで大学受験で成功してくれる学生が増えていくことを願うばかりです。

※念のため補足しておきますが、文法が不要と言っているわけではありません。ある程度の文法を身に着けた後は読書が最重要、という主張です。

 

 

at 2025/03/06 16:29:43