こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
これまでにも何度か、大学受験では「英語力」そのものだけでなく、教養や背景知識が必要になるという話を書いてきました。
今回は、その具体例をもう一つご紹介したいと思います。
※この記事は、難関大学を目指す受験生とその大学の先生に関する内容です。大学のレベルや先生の世代・接する学生の層によって考え方はさまざまであることも付け加えておきたいと思います。
大学受験生を指導していて驚くのが、主要国の首都を知らないケースが珍しくないということです。
例えば、
と聞くと、答えられない生徒が結構います。少なくとも私が指導した範囲ではこのあたりをすべて正確に答えられる生徒はほとんどいませんでした。
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大学の先生の世代からすると、これは「完全に一般常識」の範囲内に入ります。特に英語の作問をする文系の大学教員にとって、ヨーロッパ主要国の首都は「前提知識」として扱われていると言っても過言ではないと思います。
ところが実際には、この前提は高校生には共有されていません。大学の先生方は「知っていて当然」と感じている一方で、多くの高校生はその前提がどれほど強く意識されているかに気づいていないことが少なくありません。
※ちなみに私自身も、難関大学を志望する生徒がヨーロッパ主要国の首都名をほとんど答えられなかったときには、かなりの衝撃を受けました。
例えば、入試の長文に Amsterdam という語が出てきたとします。これを知らないと、
という状態になります。
本来であれば、
と数秒で処理できるものです。大学の教員の側は、このレベルの地名知識が受験生にも共有されている前提で問題文を作る場合が多いからです。
地名の知識があるだけで、文章の理解スピードも内容把握も大きく変わります。逆に知識がないと、余計な思考や推測の必要性が入ってしまい、英語力とは関係ない部分で読みが止まり無駄な時間を消費してしまいます。
実際、大阪大学の過去問では「コペンハーゲン」という地名からデンマークの話であることを推測させて和訳させるという問題が出されたこともあります。
正直に言うと、大学の先生(特に難関大学の先生)の本音としては、
と感じる先生も少なくないと思います。
実際、とある大学教員の友人が「〇〇が〇〇の都市だって知らないなんて信じられない」みたいな本音をぼやいているのを聞いたことがあります。
私自身も研究者の端くれとして大学でも教えていますが、同じような感覚を共有しています。
もちろん、受験勉強そのものは大事です。しかしそれとは別に、普段から世界のことに興味を持ち、最低限の教養を身につけておくことが、大学での学びにスムーズに入っていく上で非常に重要です。
単語・文法・過去問だけが受験勉強ではありません。
このあたりは、長文読解のスピードにも、内容理解にも直結します。
受験勉強と同時に、日々の生活の中でも世界に興味を持ってもらえると嬉しく思います。