こんにちは、広島市の四技能型・英検対策の英語塾、スクール今西の今西一太と申します。
今回は、一般的によく言われる学習理論だが実は根拠がない、あるいは間違った理解が広がっているものを4つ取り上げて、その誤解をただしたうえで、英語学習のみならず様々な学習に活かしていく方法について書いてみようと思います。それではさっそく行きましょう!
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「学習ピラミッド」とは、
という理論のことです。オハイオ州立大学の教育学者エドガー・デールの「経験の円錐」に由来すると言われます。これが正しければ、
ということになります。
ところがこれについて調べてみると、実はデール自身の原著にパーセンテージの記述はなく、出典不明のまま誰かが付け足した数字が流布しているということがわかりました。読むより見るほうがいい、教えるのが一番いい、という方法自体の優劣の序列についても根拠がなく、実証されていないようです。
ここから言えることは、
ということが言える思います。実際問題すべての内容について実践や指導の機会を持つことは無理でしょうし、聞くだけでも十分に定着率を高める方法はあるはずです。
これは聞いたことのある人も多いかもしれません。
という主張です。1万時間と言えば相当な時間ですが、逆に言うと「膨大な時間をかければ実力をつけることができるから頑張ろう」という主張として使われることが多くあるように思います。
これについても調べてみると、元々の根拠となった論文は
ということを言っているだけで、「1万時間練習すれば一流になれる」ということは言っていません。
元々の著者であるエリクソンも、「時間をかければいいわけではない。意図的な練習とフィードバックが重要である」と、この通説に対して反論しています
ここから言えることは、「重要なのはかける時間だけではなく、フィードバックを伴う練習の質である」ということだと思います。何をするにしてもやみくもに時間をかけるだけでなく、指導者からのフィードバックを得ながら正しい方向の努力を継続できているかモニタリングし続けることが重要であるということです。
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これも非常に有名な理論です。何かを覚えた際、数十分で約半分を忘れてしまう、など時間によって記憶が急速に失われていき、1か月たつとほんの一部しか記憶に残っていない、という説です。
これについても詳しく調べてみると、元の論文での被験者は著者のエビングハウスの1名のみで、しかも記憶と言うのが「AOB」などの無意味な音節を機械的に暗記する実験に限られています。
つまり、この曲線は全く無意味ではないが、あらゆる学習内容に一般化できるものではなく、特定の人の特定の記憶にのみ適用できるものである、ということに注意が必要です。
逆に言うと、無意味な丸暗記の場合は急速に忘れてしまうが、既存知識や文脈に関連づけるなどの方法を取れば、もっと記憶に残りやすくできるはずです。単語帳での1対1対応で覚えるのではなく、長文の中に出てきた単語を覚えていく、などの方法が有効でしょう。
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ダニング・クルーガー効果というのは、
という通俗的な理解をされる理論のことです。
これについても調べてみると、元々のデータが示すのは
ということだけのようです。自己評価の難しさは経験の浅い領域全般に共通する構造的な問題であり、初心者が上級者より自信満々であるということは別にないと言えることがわかりました。
ここから、
ということが教訓として言えるのではないかと思います。
それ以外にも有名な「法則」で、本来の趣旨からかけ離れた言われ方をしているものもいくつかあって興味深いので、学習に関係なくて恐縮ですが簡単に紹介したいと思います。
メラビアンの法則:「相手に情報を伝える際、言葉よりも表情や外見の方が相手により多くのメッセージを伝える。だから、身だしなみや表情をしっかり意識しなさい」という形でよく言われます。しかし、元の研究は「言葉と表情が矛盾している(例えば顔は怒っているのに優しい寛大な言葉を言っている)際に、言われた側は言葉と表情のどちらを根拠に相手のことを判断するか」ということを言っているだけです。
マズローの欲求5段階説:人間の欲求は「生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求」の5段階からなり、下の段階が満たされて初めてその次の段階の欲求が出てくる、という理論です。これも元の研究では固定された順序や下の階層が満たされないと上に行かないという主張はなかったのに、ビジネス関連で繰り返し引用されるうちに拡大解釈が加わってしまったようです。
流行りの法則や理論は、覚えておくだけでは成績は上がりません。今回の内容から、明日からの学習に落とし込めることを整理すると、次のようになります。
耳当たりのよい「法則」に頼るより、こうした地道な工夫の積み重ねが、結局は一番の近道だと思います。